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JICCとは?信用情報の見方や開示方法について

「JICCとは」について

JICCとは(株)日本信用情報機構のことで、加盟する会員会社からの信用情報を管理・提供する指定信用情報機関です。

加盟会員は次のようになっています。

  • 消費者金融会社
  • クレジット会社
  • 信販会社
  • 金融機関
  • 保証会社
  • リース会社

与信事業を営む会社がほとんどで、約半分の加盟会員が消費者金融会社です。JICCにはカードローンやクレカ利用者の履歴事項が登録されています。このページでは、次の内容を詳しく解説します。

  • 実際にはどんな情報がjiccに登録されているのか?
  • jicc情報にはどんな影響があるのか?

公式サイトではわからない情報も含めて解説していきます。

ぜひ最後まで読んでみてください。




記事執筆 Sumire 女性

Sumire

元消費者金融会社社員。5年間ほどローン審査担当をしていました。その時の経験をもとにカードローンに関する審査や関連知識の記事を執筆しています。

大阪の独立系FP Front Base 石野陽介

Front Base代表 石野陽介

2級ファイナンシャル・プランニング技能士|複収入コンサルタント|簿記3級|お金に関する不安や悩みを解決することを目的とした「資産形成セミナー」を主催。自ら講師をつとめる。

JICC情報の目的とは

指定信用情報機関である「JICC」は金融庁から指定・承認を受けた会社です。金融にかかわる個人情報がストックされいます。これらの情報を登録する目的は、消費者の健全な金融サービスの利用を守るためです。

加盟会員会社は、契約時などにJICCの信用情報を共有して確認し、与信に役立てています。

JICCに登録されている照会できる情報の内容とその目的

JICCでは個人が金融サービスを利用した際のデーターを管理しています。JICCに登録されている情報は、以下のとおりです。

  • 氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、勤務先、勤務先電話番号、運転免許証等の記号番号等などの本人(個人)情報
  • クレジットやローンなどの取引に関する情報(利用金額、残高など)
  • 取引から発生する情報(支払遅延、法的手続きの有無など)

年収や延滞情報がカードローン審査の判断となる

貸金業者が健全な融資をおこなうため、

JICCに登録されている個人が金融サービスを利用した際の信用情報の利用目的の1つは、各金融機関が金融サービスを提供するための審査での参考情報として照会するためのものです。

したがって、ローン・融資などの審査の合否に影響があります。

本人情報での年収について

年収はローンやクレジットの利用ができるか?できないか?の判断材料となりますが、個人信用情報には年収の登録はありません。

年収は金融サービスでの申し込み時に、現在の年収を記入・申告します。

金融機関はその申告をもとに、信用情報機関の情報と照らし合わせて、新規契約をしても消費者にとってオーバーローンになるか?ならないか?を審査しています。

ローンサービスの利用履歴の影響

よく「信用情報でブラックだからローンの審査には通らない」といった表現を聞くことがあります。

JICCやこのあと解説しているCIC株式会社シー・アイ・シーなどの信用機関に登録されている情報は、ローン審査の与信をおこなう際に照会される情報です。

この登録情報に、個人の金融サービスの利用履歴として、次のような事実が登録されていれば、評価・信用性が落ちてしまいます。

  • クレジットカードの引き落としがされていない
  • ローンの返済の遅延などが長期間・繰り返し発生している
  • 債務整理をおこなった

このような場合、新規にカードローンの申し込みをしても、ローン審査を通過する可能性は低くなります。

詳細な登録内容は?

「開示記録の見方」について解説されたページに、登録される全内容を公表していますので、どんな内容が登録されているのか?が気になる方はまずは参考にしてみてください、↓

元アコム審査担当が経験して審査照会の事例

当編集部の「りく」の経験をもとに、参考となる解説をおこないます。

私がアコムで勤めていた時に、実際どのようにJICCを使っていたかをご説明します。カードローンのローン審査のときに、次のような内容を照会します。

  • 信用情報に事故などがないか?
  • 申告内容に相違や問題はないか?
  • 他社の利用の履歴はあるのか?

この信用情報はカードローン会社社員が簡単に確認できるものではなく、各カードローン会社の決裁者の同意なしでは確認できないようになっています。

このときはJICC、CICともに確認をしますが、他社利用に関してはJICCの内容を主に確認していました。CICには加盟をしていない消費者金融もあるためです。

信用情報に問題がなければ、審査を進めることが出来ますが、ここで問題があるとすぐに契約をお断りします。また、お客様が申告された内容と信用情報に相違があった場合は確認を取り、疑問が解消されなければ契約が出来ない場合もあります。それほど信用情報は審査において大切な情報になります。

信用情報にはお客様の他社利用金額、件数、住所、勤務先などさまざまな情報が載っています。ですので、契約時にこれらの内容に虚偽があるとすぐに判明してしまいます。

スムーズに契約を進めるためにも、ローン審査では嘘をつかず、正直な申告をされることをおすすめします。

JICCとCICの違い

JICCとほぼ同じ役目の機関として、CIC株式会社シー・アイ・シーがあります。

こちらは主にクレジット会社が主体の機関です。

JICCとCICはともに信用情報機関であり、加盟会員からの情報を管理、提供するという役割は一緒です。違いはJICCは消費者金融の加盟が多く、CICはクレジットカード会社の加盟が多いという点でしょう。

ほとんどの消費者金融はJICCに登録しており、大手の消費者金融はJICCとCIC共に登録をしているところもあります。

クレジットカード会社はCICにほとんど加盟しており、JICCに加盟している会社もあります。クレジットカード会社はCICに、消費者金融はJICCに加盟していて、両方加盟している会社もあるということです。

例えば、個人の信用情報開示をしたい場合、クレジットカードの利用しかない場合はCICに、消費者金融の利用しかない場合はJICCに開示手続きをするといいでしょう。

両方の利用がある場合は、CICとJICCの2つともの開示手続きをすることをおすすめします。

日本での信用情報機関は3つ

CICとJICCの他に、銀行が加盟している全国銀行個人信用情報センターもあり、これらの機関は情報を共有するようになっています。その内容を次に解説します。

クレジットカード会社(CIC)・全国銀行個人信用情報センターとの関連性

JICCは他の信用情報機関との情報を共有しています。国内には次の3つの信用情報機関があります。

  • (株)日本信用情報機構(JICC)
  • (株)シー・アイ・シー(CIC)
  • 全国銀行個人信用情報センター

 

全国銀行個人信用情報センターとは?

一般社団法人 全国銀行協会(全銀協)がおこなっている信用情報機関です。銀行でのローン等に関する個人信用情報が登録されており、与信取引上の判断のための参考資料として銀行間で提供し共有しています。

「消費者信用の円滑化等を図る」ことが目的です。

JICCとCICは貸金業法に基づき、FINE(ファイン)という相互交流ネットワークで情報交流をしています。

貸金業業者が消費者の総借入額を把握できるように、相互の残高情報などの交流が貸金業法で定められています。また、JICC・CIC・全国銀行個人信用情報センターの3機関の相互交流ネットワークはCRIN(クリン)といいます。

こちらでは、各信用情報機関が持っている信用情報の中の、延滞などの情報や本人確認書類の紛失などの本人申告コメント情報などの交流が主になっています。

信用情報の開示の手順。スマートフォン・郵送等

JICCでは、個人が信用情報を確認できる開示制度があります。開示の申し込み手続きは次の方法で可能です。

  • スマートフォン
  • 郵送
  • 窓口

スマートフォンでの開示手続き手順

「スマートフォン開示受付サービス」のアプリをダウンロードし、利用規約、パスワードの登録をします。そして画面の案内にしたがって、氏名や住所などを入力します。それが終わると本人確認書類の撮影と送信をし、手数料の支払い方法を選択します。

郵送での開示手続き手順

公式サイトから「信用情報開示申込書」をプリントアウトします。1氏名につき1,000円の定額小為替を用意します。本人による開示の場合は、本人名義のクレジットカードでも大丈夫です。

本人確認書類をコピーし、申込書・定額小為替(クレジットカード決済をしなかった場合)・本人確認書類のコピーを同封し、郵送します。

窓口での開示手続き手順

東京開示センターか大阪開示センターに直接行き、手続きをします。手数料500円と本人確認書類を用意し、申込書に記入します。本人の確認が取れたら、その場で開示結果を確認できます。

スマートフォンと郵送は、現住所に開示結果が簡易書留で送られてきます。

JICCでの信用情報の開示は、あくまでもJICCに加盟している会社が登録している情報になりますので、CICや全国銀行個人信用情報センターに登録されている信用情報は確認できません。

希望する場合は、それぞれに開示の手続きをしましょう。

加盟会社の検索銀行・貸金業

JICCに加盟している会員情報をWEBページで検索することができます。会員の会社は次のようなところです。、

  • 消費者金融会社
  • 流通系
  • 銀行系
  • メーカー系クレジット会社
  • 信販会社
  • 金融機関
  • 保証会社
  • リース会社

JICCの問い合わせ窓口

JICCでは消費者向けの問い合わせ窓口があります。情報開示や本人申告コメント登録制度、登録情報、その他にについて問い合わせができます。

電話での問い合わせ

サポートダイヤル:0570-055-955
オペレーター受付時間:月曜日~金曜日(祝日・年末年始除く)10:00~16:00

インターネットでの問い合わせ

※メールアドレスが必要となります。

注意点

個別のローン契約でのローン審査内容については、問い合わせをしても回答がされません。各ローン会社に直接問い合わせをしてください。

JICCに関するよくある質問と回答

JICCに関するよくある質問とその回答(FAQ)をまとめました。

JICCに登録された信用情報の登録期間はいつまでですか?

契約継続中および契約終了後5年以内です。※詳しくはこちら

登録されている自分の情報を確認することはできますか?

できます。加盟会員の消費者金融会社やクレジット会社、金融機関等におけるローンやクレジットの契約内容や返済状況などに関する情報およびJICCが独自に収集した情報(本人申告コメント情報)も確認できます。ただし登録期間が経過したものは確認できません。

自身の登録情報開示請求後、結果は何日くらいで届きますか?

申込内容や必要書類等に不備および不足が無ければ、申込方法や郵便事情によって前後しますが、通常1週間~10日程度です。開示請求方法についてはこちらをご覧ください。→※信用情報の開示の手順スマートフォン・郵送等

延滞情報を消してもらう事はできますか?

登録されている情報が事実であれば削除することはできません。ただし、登録機関は「契約継続中及び契約終了後5年以内」です。

携帯電話料金の未払いは、JICCに延滞情報として登録されますか?

通話料金のみの場合は割賦商品とならないため登録されません。ただし、携帯電話本体を分割で購入されている場合は割賦料金となるため登録され、延滞基準に該当すれば延滞情報が登録されます。